当サイトの記事は、編集部が英語教材・放送局・試験団体・各サービスの公式サイトなどの公開情報と読者の声を調べて独自に執筆しています。紹介しているサービスの一部にはPRを含みます。
『ディクテーションってよく聞くけど、結局なにをする勉強なんだろう』と気になっている方も多いはずです。
結論から言うと、ディクテーションは「聞いた英語を一語ずつ書き取る」学習法です。書いてみると、自分がどこを聞き取れていないのかがはっきり見えてきます。
この記事を読めば、ディクテーションの意味と進め方、そして書き取れなかった1語から何が分かるのかが分かります。
ディクテーションとは?意味をひと言でいうと
ディクテーションとは、英語の音声を聞いて、聞こえたとおりに文字で書き取る学習法です。答え合わせをすると、聞き取れなかった場所とその理由が見えてきます。
英語の「dictation」は、もともと「口で言った言葉を相手に書き取らせること」を指す言葉です。
Cambridge Dictionaryでは、外国語を学ぶ人に文章を読み上げ、正しく聞いて書けるかを試すテストという意味も載っています。
つまり英語ディクテーションとは、読み上げられた英語を書き取りながら「聞く力」と「書く力」を同時に確かめる練習なんです。
実際にやることはシンプル
やることは、思っているよりずっとシンプルです。
- 短めの音声を1つ選ぶ
- まず通して聞き、話の流れをつかむ
- 1文ずつ止めながら、聞こえた英語を書き取る
- スクリプト(英文の原稿)と見比べて答え合わせする
- 違っていた所を確かめてから、もう一度聞く
例えば「Can I get a coffee?」という短い文でも、書いてみると意外な所でつまずきます。
「キャナイゲラコーフィー」とカタカナでしか聞こえず、「get a」が書けない。こんな経験をする方は多いはずです。
1回の練習はこんな時間配分
『1回にどれくらい時間がかかるの?』という方のために、20分ほどで終える場合の配分例を置いておきます。あくまで一例なので、素材の長さに合わせて変えてみてください。
| 時間の目安 | やること | ねらい |
|---|---|---|
| 最初の2分 | 音声を通して聞く | 話の流れと場面をつかむ |
| 次の10分 | 1文ずつ止めて書き取る | 聞こえた音を文字にする |
| 次の5分 | スクリプトと見比べる | 書けなかった語に印を付ける |
| 最後の3分 | スクリプトを見ながら聞き、閉じてもう一度聞く | 聞こえ方が変わったかを確かめる |
書き取りより、答え合わせとその後の聞き直しに時間を残しておくのがコツです。ここを飛ばすと、書いて終わりになってしまいます。
細かな手順や答え合わせのコツは、ディクテーションのやり方で順番に書いています。
学校で決まった方法として習うもの?
『学校でやらされたあれのこと?』と思う方もいるかもしれません。
ただ、文部科学省の学習指導要領の解説(小学校・中学校・高校の外国語)には「ディクテーション」という言葉は出てきません。
授業で取り入れる先生はいますが、決まった型があるわけではないんです。だからこそ、自分の目的に合わせて進め方を選べます。
パソコンの「ディクテーション」とは別の話
ディクテーションという言葉は、パソコンやスマホの音声入力機能の名前として使われることもあります。話した言葉を機械が文字にしてくれる機能のことです。
この記事で扱うのは、人が英語を聞いて自分の手で書き取る学習法の方です。検索で調べる時は「英語」や「学習」を足すと見つけやすくなります。
書き取れなかった1語は何を教えてくれる?聞き取りミスの5分類
書けなかった語には、たいてい理由があります。音の変化なのか、知らない語なのか、文の予測が外れたのかを分けると、次に何を練習すればいいかが決まります。
ここが、ディクテーションのいちばん面白いところです。
答え合わせで赤ペンを入れた語を眺めると、間違い方にはいくつかの型があります。この記事では、それを5つに分けて見ていきます。
| ミスの型 | 例 | 何が起きているか | 次にやること |
|---|---|---|---|
| 音の脱落 | “next day” の t が聞こえない | 語の終わりの音が消えて聞こえる | 消える音を意識して聞き直す |
| 音の連結 | “Check it out” が1語に聞こえる | 前の語の終わりと次の語がつながる | つながった形で口に出してみる |
| 弱形 | “for” や “and” が聞こえない | 機能語が弱く短く読まれる | 弱い形の音を覚えておく |
| 語彙不足 | 知らない語が書けない | そもそも意味と音を知らない | 単語として覚え、音で確認する |
| 文法の予測不足 | 複数形の s や過去形の ed が抜ける | 文の形から次の音を予想できていない | 文法のルールと合わせて読み直す |
上の3つは「知っている語なのに聞き取れなかった」ミスです。スクリプトを見た瞬間に『なんだ、この単語か』となるのが特徴です。
下の2つは「音は届いていたけれど、知識が追いつかなかった」ミスです。こちらは単語や文法の勉強とつながっています。

短い1文で5つのミスを見てみる
例えば「I wanted to ask for a bit of help.」という1文を書き取ったとします。よくある書き間違いと、その型はこんな感じです。
- 「I want to ask」と書いた:wanted の終わりの音が、次の to の前で消えたように聞こえた(音の脱落)
- 「ask a bit」と書いた:for が弱く短くなって聞こえなかった(弱形)
- 「a bitter help」と書いた:bit of がつながって1語に聞こえた(音の連結)
- 「ask for bit of help」と書いた:a が抜けた。a bit of というまとまりを知っていれば予想できた(文法の予測不足)
同じ1文でも、ミスの理由はばらばらなんです。もし bit という単語を知らなければ、それは語彙不足に入ります。
こうして型を付けておくと、『なんとなく聞き取れなかった』で終わらずに済みます。
1つの語に2つの型が重なることもあります。その時は、自分がより気になる方に入れておけば大丈夫です。分け方に正解はないので、続けやすさを優先してみてください。
5分類を使うとこう変わる
例えば、1回の練習で赤が10か所あったとします。
そのうち7か所が音の連結なら、単語帳をやり直すより、つながる音を口に出して練習する方が近道です。
反対に、ほとんどが語彙不足なら、素材のレベルが今の自分より少し高い合図かもしれません。
- 赤が付いた語を5つの型のどれかに分ける
- いちばん多い型を1つだけ選ぶ
- 次の練習ではその型に気をつけて聞く
- 同じ型のミスが減ったかを次回に見比べる
聞き取れない原因の見つけ方は、リスニングを伸ばすディクテーションでもくわしく書いています。
ディクテーションで伸びる力と、手間がかかるところ
ディクテーションは、聞き取れていない所が目に見える形で残るのが強みです。その分、1回にかかる時間は長めなので、目的に合わせて量を決めておきましょう。
『書き取りって、本当に意味あるの?』と思う方もいますよね。
実は、ディクテーションの強みは「なんとなく分かった気になる」のを防げることです。聞き流しでは気づけない穴が、紙の上に残ります。
- 聞き取れていない語がはっきり分かる
- 音のつながりや消える音に気づける
- 冠詞や複数形など細かい所まで意識が向く
- 単語のつづりも一緒に確かめられる
- 1回の練習に時間がかかる
- 書くのが遅いと音に追いつけない
- 難しすぎる素材だと赤ばかりで疲れる
- 長い音声をたくさん聞く練習には向かない

効果がどんな形で出てくるかは、ディクテーションの効果でまとめています。
どんな人に向いている?
ディクテーションは、目的によって使い方が少しずつ変わります。読者に多い3つのケースで見てみましょう。
| こんな人 | よくある悩み | ディクテーションの使い方 |
|---|---|---|
| TOEICや英検でリスニングを伸ばしたい人 | 問題集を解いても、なぜ間違えたか分からない | 間違えた問題の音声だけを書き取って原因を探す |
| 英会話の聞き取りに困っている大人 | ゆっくりなら分かるのに、普通の速さだと聞き取れない | 日常会話の短い音声で、つながる音や弱い音に慣れる |
| 中高生・NHK講座で勉強している人 | 教科書の英文は読めるのに、耳だと分からない | 知っている英文を書き取り、音と文字を結びつける |
どのケースでも「全部を書き取る」より「つまずいた所を見つける」ことに重きを置くと、時間をかけた分が次の練習に生きてきます。
シャドーイングや音読とどう違う?
ディクテーションは、ほかの英語学習とよく比べられます。どれが上ということはなく、役割が違うんです。
| 学習法 | やること | 得意なこと | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| ディクテーション | 聞いて書き取る | 聞けていない所を見つける | 短い音声をじっくり確認したい時 |
| シャドーイング | 聞きながら少し遅れてまねして言う | 音のリズムを体で覚える | 聞き取れた英文を仕上げたい時 |
| 音読 | 英文を見て声に出して読む | 語順のまま意味を取る | 理解した英文を定着させたい時 |
| 多聴 | たくさんの音声を聞き流す | 英語の量に慣れる | 移動中などのすきま時間 |
よく組み合わせるのは「ディクテーションで穴を見つけて、シャドーイングや音読でふさぐ」という順番です。
組み合わせ方や1週間のメニュー例は、英語ディクテーションの勉強法で紹介しています。
どんな素材で始める?レベル別の選び方
素材は「スクリプトがある」「1文ずつ止めやすい」「今の自分より少しだけ難しい」の3つで選ぶと失敗しにくいです。
ディクテーションは、答え合わせができないと続きません。だからスクリプトが手に入る素材が基本の形です。
2026年10月時点の公式の情報をもとに、よく使われる素材をレベル別に並べました。
| 素材 | 目安のレベル | ポイント |
|---|---|---|
| NHK「エンジョイ・シンプル・イングリッシュ」 | 中学英語から | 1回5分、中学生レベルの単語のストーリー(2026年度の番組表) |
| NHK「ラジオ英会話」 | 学び直しの大人から | NHK出版のテキスト一覧でレベルB1と表記 |
| VOA Learning English | 中級手前から | 通常より3分の1ゆっくり読まれる。2025年3月以降は新しい記事が出ていない |
| BBC Learning English「6 Minute English」 | 中級 | トランスクリプト付き。ただし一語一句の書き起こしではないと明記 |
| TED Talks | 中級から上級 | ほぼすべての動画にトランスクリプトがある |
| TOEIC公式問題集 | 試験対策の人 | 本番と同じ公式スピーカーの音声 |
BBCのスクリプトは一語一句そのままではないので、答え合わせで合わない所があっても、自分のミスとは限りません。
無料で使える素材の探し方はディクテーションの無料サイトで、教材やアプリの選び方はおすすめ教材・アプリの選び方で書いています。
TOEICに向けて取り組みたい方は、TOEICのディクテーションも参考にしてみてください。
- スクリプト(原稿)が手に入る
- 1文ずつ止めて聞き直せる
- 1回分が数分以内に収まる
- 興味のある話題で、何度も聞いても飽きにくい
いきなりニュースや映画の長い音声を選んで、1文目から赤だらけになってしまうことも。最初は「8割くらい書ける」素材にしておくと、ミスの理由まで落ち着いて見られます。
最新の放送時間や配信状況は、各番組や公式サイトで確かめておきましょう。
ディクテーションについてのよくある相談
悩みの多くは「書くのが追いつかない」「途中から聞こえなくなる」「やった後どうするか」の3つです。どれも素材の区切り方と答え合わせの後の練習で軽くできます。
ここでは、知恵袋などでよく見かける相談をいくつか取り上げます。
読まれるのが速すぎて、紙に書くのが追いつきません
英語の書き取りで、いちばん多い悩みがこれです。
結論から言うと、最初から全部を1回で書こうとしなくて大丈夫です。1文を聞いたら止めて書き、足りない所はもう一度聞き直すのが基本の形です。
それでも追いつかない時は、聞いた語の頭文字だけをメモしておき、後で埋めるやり方もあります。
『筆記体を覚えれば速く書けるのでは』と考える方もいますが、手で書くかタイピングするかは好みで選んでかまいません。
ディクテーションは書く速さの練習ではなく、聞き取れていない所を見つける練習だからです。
途中から急に聞き取れなくなります
最初の数語は書けるのに、文の後半で手が止まる。これもよくある相談です。
多くの場合、前半を書いている間に後半の音を覚えきれていないことが原因です。1文が長い時は、意味のまとまりで2つか3つに区切って止めてみてください。
「I’ll call you / when I get home.」のように、区切る場所を自分で決めておくとぐっと楽になります。
ディクテーションをやった後、どう活かせばいいですか
書き取りと答え合わせで終わってしまうのは、少しもったいないんです。
聞けなかった所が分かったら、スクリプトを見ながら音声を聞き、同じように口に出してみましょう。最後にスクリプトを閉じてもう一度聞くと、さっきまで聞こえなかった音が聞こえることがあります。
ここで紹介した相談は、実際の質問の内容をもとに要約したものです。答えは一般的な学習の考え方として書いています。
聞き取れない原因が自分で分からない時は
一人で続けられる人も多い学習法です。ただ、赤が減らない理由が分からない時は、聞き取りの癖を人に見てもらうのも1つの方法です。
ディクテーションは、ノートと音声があれば一人でできます。それでも、続けているうちに『毎回同じ所でつまずくけど、なぜなのか分からない』という壁に当たることも。
一人で続けるか、人に見てもらうか
5分類で原因を分けても、自分ではどの型か判断しにくいミスもあります。例えば「聞こえ方」ではなく「自分の発音の癖」が原因になっている場合です。
人の手が役立つのは、例えばこんな場面です。
- 聞き取れない原因が音なのか語彙なのか自分で決められない
- 発音とセットで練習して、聞こえ方を変えたい
- 何をどの順番でやるか、学習計画を立ててほしい
- 一人だと練習の記録が続かない
例えば、mimitore(ミミトレ)は産経ヒューマンラーニングが運営する、リスニング・発音の専門コーチングです。
公式サイトでは、聞き取れない理由を分析する独自のテスト「mimi診断」をもとに、毎週50分の授業を行うと案内されています。
すきま時間にLINEで取り組めるディクテーション問題が、レベルに合わせて毎日届く仕組みもあります。
英語の音の変化(連結・脱落・変形・同化・弱形)を段階的に練習する内容で、この記事の5分類とも重なる部分が多いです。
料金は2026年10月時点の公式サイトで、3ヶ月(全12回)198,000円(税込)です。最新の内容はmimitore公式サイトで確かめてみてください。
mimitore(PR)
聞き取れない原因を、人に見てもらいたい方に
mimitore(ミミトレ)は、産経ヒューマンラーニングのリスニング・発音の専門コーチングです。診断テストでつまずきを分析し、毎週50分の授業と、LINEで届くディクテーション問題で練習を続けます。無料カウンセリングでは診断の一部と授業を体験できます。
無料mimitoreの無料カウンセリングを見るコース内容・料金は変わることがあります。最新は公式サイトでご確認ください。
一人で進めるか、人と一緒に進めるかは、かけられる時間と目的で選べば大丈夫です。どちらの場合も、まずは短い音声1つから始めてみてください。
続けるための工夫はディクテーションを続けるコツで、初めての方の始め方は初心者のディクテーションで紹介しています。
よくある質問
ディクテーションとは、日本語で言うと何ですか?
日本語では「書き取り」と呼ばれることが多いです。英語学習では、聞いた英語を一語ずつ文字にして、聞き取れていない所を確かめる練習のことを指します。
英語ディクテーションとは、リスニングのテストのことですか?
もともとは外国語の書き取りテストの意味もある言葉です。ただ、英語学習でいうディクテーションは、自分のリスニングの穴を見つけるための練習として使われることがほとんどです。
1回にどのくらいの長さの音声を使えばいいですか?
決まった長さはありません。最初は1文ずつ止めながら、数分以内の短い音声で始めると、答え合わせまで集中して進めやすいです。
ディクテーションは毎日やらないと意味がありませんか?
毎日でなくても大丈夫です。時間がかかる練習なので、週に数回じっくり取り組み、ほかの日はシャドーイングや聞き流しに回す人もいます。続けられる頻度を先に決めておくと、途中で止まりにくくなります。
手で書かずにタイピングしてもいいですか?
どちらでもかまいません。大事なのは、聞こえた英語を文字にして、スクリプトと見比べることです。書く速さに自信がない方はタイピングの方が楽な場合もあります。
まとめ
- ディクテーションとは、聞いた英語を一語ずつ書き取る学習法
- 書き取れなかった語は、音の脱落・連結・弱形・語彙不足・文法の予測不足の5つに分けられる
- いちばん多いミスの型を1つ選び、次の練習でそこに気をつけて聞く
- シャドーイングや音読とは役割が違い、組み合わせて使える
- 素材はスクリプトがあり、少しだけ難しいものから選ぶ





コメント