当サイトの記事は、編集部が英語教材・放送局・試験団体・各サービスの公式サイトなどの公開情報と読者の声を調べて独自に執筆しています。紹介しているサービスの一部にはPRを含みます。
『ディクテーションをやってみたけど、ほとんど書けなかった…』と落ち込んでいる方も多いはずです。
結論から言うと、初心者がディクテーションを難しいと感じるのは、とても自然なことです。難しさを「速さ・長さ・語彙・音の変化」の4つに分けて、どれか1つを下げれば続けられるようになります。
この記事を読めば、ディクテーション初心者がどこから始めればいいか、何を調整すれば手が動くようになるかが分かります。
初心者がディクテーションを難しいと感じるのは普通?
普通です。ディクテーションは「聞く」「覚えておく」「書く」を一度にする練習なので、慣れないうちは誰でも手が止まります。難しいのは力不足というより、素材と進め方が今の自分に合っていないことが多いんです。
ディクテーションは、聞いた英語を一語ずつ書き取る学習法です。くわしい意味はディクテーションとはで書いています。
やってみると、思っていたよりずっと大変ですよね。
聞き取った音を覚えておき、つづりを思い出して書く。その間にも、次の音が流れてきます。頭の中で同時にいくつもの作業をしているので、手が止まるのは当たり前なんです。
頭の中で起きている3つの作業
ディクテーションの最中、頭の中ではこんな作業が続けて起きています。
| 作業 | やっていること | つまずくとこうなる |
|---|---|---|
| 聞く | 音を単語として受け取る | 知っている語なのに分からない |
| 覚えておく | 聞いた語を書き終えるまで頭に置く | 前半を書くうちに後半を忘れる |
| 書く | つづりを思い出して文字にする | 書いている間に次の音を聞き逃す |
初心者のうちは、この3つのどれもがまだ自動で動きません。だから、どこか1つでも楽にしてあげると、ほかの作業に余裕が生まれるんです。
「全然書けない」は失敗ではない
『こんなに書けないなら、自分には向いていないのかも』と思ってしまう方もいます。
でも、ディクテーションは書けなかった所を見つけるための練習です。書けなかった所が多いほど、伸ばせる所が見つかった、とも言えます。
例えばこんな会話、心当たりはありませんか。
「昨日ディクテーションやってみたんだけど、10文で3語しか書けなかった」
「最初はみんなそうだよ。速すぎたんじゃない?」
ただ、赤ばかりの答え合わせが続くと、気持ちが折れてしまいますよね。だからこそ、次の章で紹介する「難しさの下げ方」が大事になります。
- 音声のスピードに書くのが追いつかない
- 1文の途中で、前半を忘れてしまう
- 知らない単語が出てきて止まる
- 知っている単語のはずなのに、聞いても分からない
当てはまったものが、あなたにとっての「難しさの正体」です。
難しさは4つに分けられる:速さ・長さ・語彙・音の変化
ディクテーションの難しさは、速さ・長さ・語彙・音の変化の4つに分けられます。全部を一度に下げる必要はなく、いちばん困っている1つだけを下げれば十分です。
ここが、この記事でいちばん伝えたいところです。
『難しい』とひとまとめにすると、何を変えればいいか分からなくなります。4つに分けると、下げ方がはっきりします。
| 難しさの種類 | こんな時に困っている | 下げ方の例 | 少し慣れたら |
|---|---|---|---|
| 速さ | 書くのが音に追いつかない | 再生速度を落とす。ゆっくり読まれる素材を選ぶ | 普通の速さで最後に1回聞く |
| 長さ | 前半を書くうちに後半を忘れる | 1文を2〜3語ずつに区切って止める | 区切る回数を減らす |
| 語彙 | 知らない単語で止まる | 中学英語レベルの単語の素材に替える | 少しずつ新しい語が出る素材へ |
| 音の変化 | 知っている語なのに聞き取れない | 音のつながりが少ない、はっきりした音声にする | 日常会話の自然な音声へ |

どれで困っているか見分ける質問
『自分がどれで困っているのか分からない』という方は、書き取りの後にスクリプトを見て、次の質問に答えてみてください。
- スクリプトを見ると知っている単語ばかりで、遅くすれば書けそうなら「速さ」
- 文の前半は書けているのに、後半が抜けているなら「長さ」
- スクリプトを見ても意味が分からない語が多いなら「語彙」
- 知っている単語なのに、音を聞いてもその語だと思えなかったなら「音の変化」
2つ以上当てはまることもあります。その時は、いちばん多く当てはまったものから下げてみましょう。
1つだけ下げるのがコツ
例えば、知らない単語はほとんどないのに書けない人は、語彙ではなく速さか長さで困っています。この場合、素材をやさしくしても、あまり変わりません。
反対に、知らない単語ばかりで止まる人が再生速度だけを落としても、書けるようにはなりにくいんです。
いちばん困っている1つを下げて、それ以外はそのまま。こうすると、練習の手応えがちゃんと残ります。
下げすぎも気をつけたい
全部を下げて、ほとんど全部書ける状態にすると、今度は発見がなくなります。
目安は、1回目の書き取りで8割くらい書けるレベルです。残りの2割が、その日の練習のテーマになります。
難しいと感じた時に、いきなり素材のレベルを大きく下げてしまうことも。まずは今の素材のまま、速さか長さを調整してみてください。それでも難しい時に、素材を替えれば大丈夫です。
初心者のディクテーションのやり方
初心者は「穴埋めから始める」「1文を短く区切る」「書けない所は空けて進む」の3つを意識すると続けやすいです。最初の1か月は、書ける量より続ける回数を大事にしましょう。
基本の手順はディクテーションのやり方で紹介しているので、ここでは初心者向けの工夫を中心に話しますね。
- 中学英語レベルの短い音声を1つ選ぶ
- 最初は書かずに、2回通して聞く
- 2〜3語ずつ止めて、聞こえた語を書く
- 分からない所は下線で空けて、次へ進む
- スクリプトと見比べ、書けた語に丸を付ける
- スクリプトを見ながら聞き、声に出して読む
答え合わせでは、間違えた所に赤を入れる前に、書けた所に丸を付けてみてください。『こんなに書けていたんだ』と分かると、次もやろうという気持ちになります。
10分で終える時の時間配分
最初のうちは、1回10分ほどで終わる量にしておくと気持ちが楽です。配分の例を置いておきます。
| 時間の目安 | やること |
|---|---|
| 最初の2分 | 書かずに2回通して聞く |
| 次の4分 | 2〜3語ずつ止めて書く |
| 次の2分 | スクリプトと見比べ、書けた語に丸を付ける |
| 最後の2分 | スクリプトを見ながら聞き、声に出して読む |
10分で終わらなかった分は、次の日に回してかまいません。途中で止めても、そこまでの発見はちゃんと残ります。
全文が難しい時は穴埋めから
全文を書くのが大変なら、スクリプトの一部を隠して穴埋めにする方法もあります。
例えば「I ___ to the park yesterday.」のように、動詞だけを空けておき、そこだけを聞き取ります。慣れてきたら、空ける場所を増やしていけば大丈夫です。
TOEICの公式問題集を使う人なら、IIBCが問題集10のページで、Part 5・6の音声を聞いて空所の語や文を書き取る学習例を紹介しています。穴埋めは、初心者の入り口としても使いやすい形です。
最初の4週間はこう進める
いきなり毎日長く取り組むより、少しずつ段階を上げていく方が続きます。あくまで一例として、最初の4週間の進め方を置いておきます。
| 時期 | 素材 | 書き方 | 1回の時間の目安 |
|---|---|---|---|
| 1週目 | ごく短い会話の音声 | 穴埋め(1文に1か所) | 10分 |
| 2週目 | 同じくらいの音声 | 穴埋め(1文に2〜3か所) | 15分 |
| 3週目 | 少し長い音声 | 2〜3語ずつ区切って全文 | 20分 |
| 4週目 | 3週目と同じ音声 | 1文ずつ区切って全文 | 20分 |
4週目に3週目と同じ音声を使うのは、聞こえ方の変化を確かめるためです。前より書けていれば、それがはっきりした前進です。
5週目からは、新しい音声に替えて3週目の書き方から始めます。難しく感じたら、また穴埋めに戻ってかまいません。行ったり来たりしながら少しずつ上げていく、くらいの気持ちで十分です。

続けるための時間の作り方は、ディクテーションを続けるコツでも紹介しています。
カタカナディクテーションから始めてもいい?
始めてかまいません。英語で書けない所をカタカナでメモしておくと、どこがどう聞こえたかが残ります。答え合わせで正しい英語と並べることで、音と文字が結びつきやすくなります。
『英語で書けない所を、カタカナで書いてもいいの?』と迷う方もいますよね。
カタカナディクテーションは、聞こえた音をそのままカタカナで書き取る方法です。例えば「Check it out」が「チェケラウ」と聞こえたら、そのとおりに書いておきます。
答え合わせの時に、カタカナの横に正しい英語を書き込むと、こんな形になります。
| カタカナで書いた音 | 正しい英語 | 気づけること |
|---|---|---|
| チェケラウ | Check it out | 3語がつながって1語に聞こえる |
| ゲラ | get a | t がやわらかくなり、次の a とつながる |
| アイルビー | I’ll be | I will が短くなっている |
| ワナ | want to | to が弱くなり、want とくっつく |
こうして並べると、『英語の音はこういうふうにつながるんだ』という発見がたまっていきます。
- 書けない所でも手が止まらない
- どう聞こえたかが記録に残る
- 音のつながりに気づきやすい
- カタカナのままで終わると英語の形が残らない
- 日本語の音に引っぱられて覚えることがある
- 慣れてきたら英語で書く割合を増やしたい
大事なのは、カタカナで終わらせないことです。答え合わせで正しい英語を横に書き、スクリプトを見ながらもう一度聞いてみてください。
- カタカナの横に、スクリプトの正しい英語を書く
- スクリプトを見ながら、その部分だけを聞き直す
- 聞こえ方と英語のつづりを見比べて声に出す
- スクリプトを閉じて、もう一度その部分を聞く
慣れてきたら、カタカナは書けない所だけにして、残りは英語で書く。この順番で少しずつ英語の割合を増やしていけば大丈夫です。
初心者でも始めやすい素材の選び方
初心者は「中学英語レベルの単語」「1回が短い」「スクリプトがある」の3つがそろった素材から始めると、答え合わせまで進めやすいです。
素材選びで、ディクテーションの難しさは大きく変わります。2026年10月時点の公式の情報をもとに、初心者でも始めやすいものを並べました。
| 素材 | どんな人に | 初心者に向いている所 |
|---|---|---|
| NHK「基礎英語 レベル1」 | 中学英語をイチから学び直したい人 | 英語入門者向けのラジオ講座。1回15分(2026年度) |
| NHK「エンジョイ・シンプル・イングリッシュ」 | 短い時間で取り組みたい人 | 1回5分、中学生レベルの単語のストーリー(2026年度) |
| VOA Learning English | 少しゆっくりの英語で練習したい人 | 通常より3分の1ゆっくり読まれる。新しい記事は2025年3月以降出ていない |
基礎英語は、2026年度から「中学生の基礎英語 レベル1・2」が「基礎英語 レベル1・2」という名前に変わり、大人の学び直しにも役立つ講座になりました。
NHKの講座は、放送から1週間はNHKの聴き逃し配信で聞けます。放送時間や配信のしかたは年度で変わることがあるので、最新の情報はNHKの公式サイトで確かめてみてください。
講座を使ったやり方は基礎英語・エンジョイシンプルイングリッシュでディクテーションで、無料で使える素材はディクテーションの無料サイトでくわしく書いています。
速さを下げる道具も使える
速さで困っている方は、再生速度を変えられる道具を使うと楽になります。
YouTubeのヘルプでは、多くのデバイスで動画を違う速度で再生したり、巻き戻したりできると案内されています。Audibleの公式の説明では、再生速度を0.5倍から3.5倍の間で選べるとされています。
最初はゆっくり書き取り、最後に普通の速さで聞いてみると、速さの違いにも少しずつ慣れていけます。
VOA Learning Englishは、過去の記事や音声は今も素材として使えます。ただ、新しい記事は出ていないので、最近の話題で練習したい方は別の素材と組み合わせてみてください。
初心者によくある相談
「全然できない」「カタカナ混じりになる」「時間がかかりすぎる」の3つが、初心者に多い相談です。どれも、難しさを1つ下げることと、量を減らすことで軽くできます。
知恵袋などでよく見かける相談を、要約して取り上げます。
ディクテーションが全然できません。向いていないのでしょうか?
TOEICの勉強を始めたばかりの方などから、よく出てくる相談です。
向いていないということはありません。書けない時は、この記事の4つの難しさのどれで困っているかを、まず確かめてみてください。
速さなら再生速度を落とす、長さなら区切る、語彙ならやさしい素材に替える、音の変化ならはっきりした音声にする。1つ下げるだけで、手が動き始めることが多いです。
聞き取れない所がカタカナ混じりになってしまいます
「It has ベン completely」のように、英語とカタカナが混ざる。初心者にはとてもよくあることです。
それで大丈夫です。カタカナの部分が、まさに聞き取れていない所だからです。答え合わせで正しい英語を横に書き込み、どの音がどう聞こえたかを確かめてみてください。
内容が分かればいいのに、書き取る意味があるのですか?
『リスニングは内容が分かればいいのでは?』という疑問もよく見かけます。
内容をつかむ練習も、もちろん大切です。ただ、なんとなく内容が分かった気になっていると、聞けていない小さな語に気づけません。
ディクテーションは、その気づかなかった所を見つけるための練習です。内容をつかむ練習と組み合わせて使うと考えると、意味が見えてきます。
社会人で、ディクテーションは時間がかかりすぎます
仕事をしながら学ぶ方には、切実な悩みですよね。
時間がかかりすぎる時は、1回の量を減らしてかまいません。1文か2文だけを書き取り、残りは聞き直しや音読に回す、という進め方もあります。
ディクテーションは、全部を書き取ることより、つまずいた所を見つけることに意味があります。短くても、続けた方が気づきはたまっていきます。
ここで取り上げた相談は、実際の質問の内容をもとに要約したものです。回答は一般的な学習の考え方として書いています。
一人だとどうしても進まない時は
4つの難しさを調整しても、『どれで困っているのか自分では分からない』という時もあります。聞き取れない理由を一緒に見てくれる人がいると、ぐっと進めやすくなることも。
mimitore(PR)
聞き取れない原因を、人に見てもらいたい方に
mimitore(ミミトレ)は、産経ヒューマンラーニングのリスニング・発音の専門コーチングです。診断テストでつまずきを分析し、毎週50分の授業と、LINEで届くディクテーション問題で練習を続けます。無料カウンセリングでは診断の一部と授業を体験できます。
無料mimitoreの無料カウンセリングを見るコース内容・料金は変わることがあります。最新は公式サイトでご確認ください。
どんな効果が期待できるかを知ってから始めたい方は、ディクテーションの効果も読んでみてください。
よくある質問
ディクテーション初心者は、1日どのくらいやればいいですか?
決まった時間はありません。最初は10分ほどで答え合わせまで終わる量にしておくと、続けやすいです。慣れてきたら少しずつ伸ばしてみてください。
ディクテーションのやり方で、初心者はスペルミスを気にした方がいいですか?
最初は気にしすぎなくて大丈夫です。音が合っていれば聞けた所として数え、つづりは答え合わせで直しておく程度で十分です。
カタカナディクテーションばかりになっても大丈夫ですか?
始めのうちは大丈夫です。答え合わせで正しい英語を横に書き込むことだけは続けてください。慣れてきたら、英語で書く割合を少しずつ増やしていきましょう。
書くのが遅くて追いつきません。タイピングでもいいですか?
タイピングでもかまいません。手で書くか打つかより、聞こえた英語を文字にしてスクリプトと見比べることが大事です。書くのが遅いと感じる方は、打つ方が楽な場合もあります。
ディクテーションが難しい時は、シャドーイングから始めた方がいいですか?
どちらから始めてもかまいません。ただ、シャドーイングも音を聞きながら話すので、慣れないうちは難しく感じやすい練習です。短い音声の穴埋めディクテーションから入る方が、取り組みやすい場合もあります。
まとめ
- 初心者がディクテーションを難しいと感じるのは自然なこと
- 難しさは速さ・長さ・語彙・音の変化の4つに分けられ、困っている1つだけを下げる
- 目安は1回目の書き取りで8割くらい書けるレベル
- 全文が難しい時は穴埋めから始め、4週間かけて段階を上げる
- カタカナディクテーションは、答え合わせで正しい英語と並べれば入り口になる





コメント