ディクテーションの効果|伸びる力と効果が出にくい使い方

ディクテーションの効果と効果が出にくい使い方を解説する記事のアイキャッチ

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『ディクテーションって時間がかかるけど、本当に効果あるの?』と迷っている方は多いですよね。

結論から言うと、ディクテーションの効果は「自分が聞き取れていない所が、紙の上ではっきり見えること」です。見えた穴をどう埋めるかで、伸びる力が変わります。

この記事を読めば、ディクテーションで伸びやすい力と、効果が出にくい使い方の見分け方が分かります。

目次

ディクテーションの効果は「聞けていない所が見える」こと

先に結論

ディクテーションは、聞いた英語を一語ずつ書き取る学習法です。聞き流しでは「なんとなく分かった」で終わる所も、書くと空欄や間違いとして残ります。この「穴が見える」ことが、効果のいちばんの出発点です。

英語を聞いていると、全体の意味はつかめた気がすることがありますよね。

ただ、そのまま書き取ってみると、冠詞や前置詞、語尾のsやedが抜けていることがよくあります。

実は、ここが大事なところです。聞き取れていない音は、自分では気づきにくいんです。

ディクテーションは、その気づきにくい穴を一つずつ文字にして見せてくれます。

例えばこんな場面です。

「I’m gonna check it out.」を聞いて、ノートには「I’m go check out.」と書いたとします。

答え合わせをすると、「gonna」がgoing toの崩れた形で、「check it out」はitがつながって聞こえていた、と分かります。

意味だけを追っていたら、この2つの穴には気づかないまま進んでいたかもしれません。

聞き流しで残るもの書き取りで見えるもの
だいたいの話の流れ抜けた単語の位置
知っている単語の印象知っているのに聞けなかった単語
「速かった」という感想どこで音がつながって分からなくなったか

ディクテーションそのものの意味や基本を先に知りたい方は、ディクテーションとは?意味と英語学習での効果から読んでみてください。

辞書ではどう説明されている?

ケンブリッジ英語辞典では、dictationの意味の一つとして「外国語を学ぶ人に文章を読み上げ、正しく聞いて書けるかを試すテスト」という説明が載っています。

つまり、もともと「聞けているか」「書けているか」を確かめるための方法なんです。

効果を考える時も、この「確かめる道具」という性格を頭に置いておくと、使い方を間違えにくくなります。

どんな人に効果が出やすい?

ディクテーションの効果は、今の悩みによって感じ方が変わります。

自分がどれに近いか、下のチェックで確かめてみてください。

効果を感じやすい人の特徴
  • 単語や文法は分かるのに、音になると聞き取れない
  • 聞いた英語を「なんとなく」でしか覚えていない
  • 自分の苦手がどこにあるのか、まだはっきりしない
  • 机に向かって集中できる時間を少しでも取れる

逆に、英語の音にほとんど触れたことがない段階なら、まずは聞く量を増やすところから始めても大丈夫です。

読者の立場ごとに、効果の出方の違いをまとめるとこうなります。

立場効果を感じやすい場面最初に意識したいこと
TOEICや英検でリスニングを伸ばしたい人問題の音声で聞き逃す語が分かる間違えた語の理由を書き残す
英会話の聞き取りに困っている大人会話の速さで抜ける音に気づく短い日常会話の音声を選ぶ
中高生やNHKの講座で学んでいる人習った英文が音で分かるようになる教科書レベルのやさしい音声から

どの立場でも、ポイントは「書いた後の見直し」です。ここは最後まで変わりません。

英語のディクテーション効果を4つの方向に分けてみる

この章のポイント

英語のディクテーション効果は、リスニングだけに出るわけではありません。この記事では「リスニング」「語彙と文法」「スペル」「スピーキング」の4つの方向に分けて見ていきます。どの方向に効かせたいかで、答え合わせの仕方が変わります。

『ディクテーション=リスニングの練習』と思っている方も多いはずです。

もちろん中心はリスニングです。ただ、書き取った紙をどう見直すかで、ほかの力にも効き方が広がります。

ディクテーションの効果をリスニング・語彙と文法・スペル・スピーキングの4方向に分けて整理した図解
方向伸びやすい力効きやすくなる答え合わせ
リスニング音のつながりや弱い音への気づき抜けた所を音で聞き直す
語彙と文法聞いて分かる単語・語順の感覚間違えた語を文法で説明してみる
スペル知っている単語を正しく書く力綴りの間違いだけ色を変えて残す
スピーキング自分で言える英文のストック書いた英文を声に出して読む

リスニング:音の変化に気づける

いちばん分かりやすい効果がここです。

英語は、単語と単語がつながったり、弱く短く発音されたりします。例えば「What do you want to do?」は、文字で見ると簡単ですよね。

でも音で聞くと「ワダユワナドゥ」のように一続きに聞こえることがあります。

書き取りで「want to」が抜けていたら、それは単語を知らないのではなく、音の変化に耳が慣れていないサインです。原因の見つけ方はリスニングを伸ばすディクテーションで詳しく扱っています。

会話にすると、こんなやり取りがよく起きます。

「答え合わせしたら、知っている単語ばかりだった」
「それなら、聞けなかったのは単語じゃなくて音の方かもしれないね」

この気づきが、次に何を練習すればいいかの手がかりになります。

語彙と文法:知識が「聞いて分かる」に変わる

『単語も文法も知っているのに聞けない』という悩みはよく聞きます。

ディクテーションでは、聞こえた音を文法で補って書く場面が出てきます。「He go」と書いた後で、三人称だからgoesのはずだ、と気づくような場面です。

こうした小さな修正の繰り返しで、文法の知識が「読めば分かる」から「聞いても分かる」に近づいていきます。

スペル:書ける単語が増える

手で書くか、キーボードで打つかに関わらず、綴りの間違いはそのまま残ります。

receiveとrecieveのような迷いやすい単語は、書き取りで何度も出会うと定着しやすくなります。

ただし、スペルだけに時間を使うとリスニングの練習時間が減ります。綴りのミスは印を付けて後で見直す、くらいの扱いで十分です。

スピーキング:言える英文のストックが増える

書き取った英文は、自分の耳で確かめた「正しい英文」です。

それを声に出して読むと、口が覚える英文のストックになります。音読と組み合わせると、聞く力と話す力をつなげやすくなるんです。

英会話にどうつなげるかは、英会話にディクテーションは役立つ?スピーキングへのつなげ方で紹介しています。

効果が出にくい使い方の見分け表

よくある失敗

ディクテーションは時間がかかる分、やり方がずれると「頑張ったのに伸びない」と感じやすい学習法です。下の表で、自分のやり方に当てはまる所がないか確かめてみてください。

『毎日やっているのに、変わった気がしない』という方もいますよね。

そう感じるのは自然なことです。ただ、多くの場合は努力が足りないのではなく、使い方が少しずれているだけなんです。

よくある使い方効果が出にくい理由直し方の例
書いて答え合わせをして終わり穴を見つけただけで、埋めていない間違えた所を音声で聞き直す
速すぎる素材を選ぶ空欄だらけで原因が分からない大半は書ける素材に下げる
長い音声を一気に書く集中が続かず、後半が雑になる1文から数文の短い単位に切る
答えを見てから書き写す自分の穴が見えない書き終えるまで原稿を見ない
毎回違う素材を使う同じ音に慣れる前に次へ行く同じ音声を数日続ける
スペルの直しに時間を使いすぎる聞く練習の時間が減る綴りは印だけ付けて後回し
ディクテーションの効果が出にくい使い方と直し方を対にして並べた図解

「書けた量」で効果を測らない

ここは見落としやすい点です。

ディクテーションでは、全部書けた日よりも、空欄がたくさん出た日の方が学びが多いことがあります。穴が見えた分だけ、直す材料が手に入ったからです。

書けた割合は記録しておくと励みになりますが、それだけで伸びを判断しなくて大丈夫です。

素材の難しさは「大半は書けて、少し詰まる」が目安

難しすぎる素材は、空欄の理由が音なのか単語なのか分からなくなります。

逆にやさしすぎると、穴がほとんど見えません。ほどほどに書けて、ところどころ詰まる素材が、効果を感じやすいんです。

この難しさはあくまで目安です。自分が続けやすい難しさを探してみてください。

伸びを感じない時の見直しチェック

『このやり方で合っているのかな』と不安になったら、次の項目を一つずつ見直してみてください。

見直したいポイント
  • 答え合わせの後に、間違えた所を音で聞き直しているか
  • 間違いに「なぜ書けなかったか」のメモを付けているか
  • 同じ音声を何日か続けて、穴が減るのを確かめているか
  • 1回にやる量が多すぎて、後半が雑になっていないか

一つでも当てはまらない所があれば、そこを変えるだけで手応えが変わることがあります。

ディクテーションの効果を引き出す進め方

基本の流れ
  1. 1文から数文の短い音声を用意する
  2. 原稿を見ずに、まず全体を1回聞く
  3. 1文ずつ止めながら書き取る
  4. 原稿と照らし合わせ、違う所に印を付ける
  5. 印を付けた所を音声で聞き直し、声に出して読む

やり方は一つではありませんが、上の流れが基本の形です。

効果を左右するのは4と5です。答え合わせの後に、間違えた所をもう一度音で確かめる。ここを飛ばさないようにしておきましょう。

手順ごとの細かいコツや、何回まで聞き直してよいかはディクテーションのやり方|5つの手順と答え合わせのコツにまとめています。

間違いに理由のメモを付ける

答え合わせの時は、ただ赤で直すだけでなく、なぜ書けなかったかを一言添えてみてください。

例えば次のような書き方です。

  • 「it」が抜けた:checkとつながって聞こえた
  • 「the」が抜けた:弱くて短かった
  • 「goes」を「go」と書いた:音は聞こえたが文法で補えなかった
  • 「receive」の綴りミス:音は取れていた

こうしてメモを残すと、自分の苦手が「音のつながり」なのか「単語」なのか「文法」なのかが、少しずつ見えてきます。

続けるうちに変わっていくこと

効果の出方は人それぞれですが、続けていると答え合わせの中身が少しずつ変わっていきます。

期間ではなく「段階」で見ると、今の自分がどこにいるか分かりやすくなります。

段階答え合わせでよく見えることこの段階での練習のしかた
始めたばかり空欄が多く、知らない単語も混ざるやさしい素材で1文ずつ書く
慣れてきた頃単語は分かるが、つながった音で抜ける抜けた所を聞き直して真似する
仕上げの頃冠詞や語尾など小さな音だけが抜ける少し速い素材や長めの音声に広げる

『最近、間違いが細かい所ばかりになってきた』と感じたら、それは穴が小さくなってきた合図です。

その時は、素材を一段階難しくしてみるのも一つの手です。

試験対策として使う時の考え方

TOEIC Listening & Reading Testの公式説明では、問題はすべてマークシートで答える形式で、書き取りの問題そのものは出ません。

それでも、運営団体のIIBCは公式問題集のページで、音声を聞いて空所の語を書き取り、実際の英文と比べる学習例を紹介しています。

つまり、試験に出るからではなく、聞き取れていない所を見つける練習として使う、という位置づけです。試験別の使い方はTOEICのディクテーション|やり方と公式問題集の使い方で紹介しています。

シャドーイングや音読と比べると、何が違う?

先に結論

どれが上というより、確かめられることが違います。ディクテーションは「どこが聞けていないか」を見つけるのが得意です。シャドーイングや音読は「聞いた音を口で再現する」練習に向いています。

『シャドーイングとどっちがいいの?』という疑問は、本当によく見かけます。

結論から言うと、目的と手間で選ぶのがいちばん納得しやすいです。

学習法得意なこと手間向いている場面
ディクテーション聞けていない所を見つける書く分、時間がかかる原因を探したい時
シャドーイング音のリズムや速さについていく書かないので短時間でできる音に慣れたい時
音読英文を口に覚えさせる原稿があればすぐできる言える英文を増やしたい時
ディクテーションが向く人
  • 自分がどこで詰まるのか知りたい
  • 机に向かう時間が取れる
  • 答え合わせをじっくりしたい
ほかの学習法と組み合わせたい人
  • 通勤中など手が使えない時間が多い
  • 音のスピードに慣れるのを優先したい
  • 書く作業が負担で続かない

組み合わせるなら、ディクテーションで穴を見つけて、同じ英文をシャドーイングや音読で仕上げる流れが取り入れやすいです。

一つの方法にこだわるより、それぞれの得意な所を借りる。このくらいの気持ちで十分です。

組み合わせる時の1回分の流れ

組み合わせ方に決まりはありませんが、1つの音声を使い回すと手間が少なく済みます。

1つの音声で3つを回す例
  1. ディクテーションで書き取り、抜けた所に印を付ける
  2. 原稿を見ながら、印の所を何度か聞き直す
  3. 原稿を見ながら音読し、口の動きを確かめる
  4. 原稿を閉じてシャドーイングし、速さについていく

1つの音声で「見つける・直す・慣らす」を順番に通すイメージです。

『全部やる時間はない』という日は、1と2だけでも構いません。穴を見つけて聞き直すところまでやれば、ディクテーションの効果はちゃんと残ります。

次の日に3と4だけやる、という分け方もできます。自分の生活に合わせて、無理のない区切り方を探してみてください。

ディクテーションの効果についてよくある相談

この章について

ディクテーションの効果について、Q&Aサイトでよく見かける相談をいくつか取り上げます。質問は要約して紹介しています。

相談1『ディクテーションは本当に必要?講師からは別の練習を勧められた』

ディクテーションが必要かどうかで迷う相談は多いです。

答えは「目的による」です。今の自分がどこで聞き取れていないか分からないなら、ディクテーションは原因探しの道具として役に立ちます。

一方で、穴の場所がもう分かっている人や、音のスピードに慣れる段階の人は、シャドーイングや音読の方が時間に合う場合もあります。

講師の勧めとディクテーションは、どちらかを捨てるものではありません。週に何回かだけディクテーションで確認する、という組み合わせ方もあります。

相談2『書かずに頭の中で文を保って、限界になったら原稿を見るのでも同じ?』

書かないやり方でも、集中して聞くという点では練習になります。

ただ、書かないと「どこが抜けたか」が後に残りません。頭の中では埋めたつもりでも、実は聞けていなかった単語に気づきにくいんです。

時間がない日は頭の中で、時間がある日は紙に書く。そんなふうに使い分けると、両方の良さを取れます。

相談3『何回か聞けば分かるのに、テストのような1回勝負だと聞き取れない』

何回か聞けば分かるのは、単語や文法の知識はもう足りているサインです。

1回で取れないのは、音の処理が追いついていない状態だと考えられます。ディクテーションで「1回目に何が書けたか」だけを別に記録してみてください。

1回目で書けた量が少しずつ増えていけば、それが変化の手がかりになります。仕上げに同じ英文をシャドーイングして、速さに口と耳を慣らすのも一つの方法です。

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よくある質問

ディクテーションの効果はどのくらいで感じられますか?

感じ方には個人差があり、期間は一概に言えません。ただ、答え合わせで「前は書けなかった所が書けた」と気づける場面は、続けていると出てきます。間違いのメモを日付付きで残しておくと、変化を確かめやすくなります。

パソコンで打つのと手で書くのとで、効果は変わりますか?

聞き取れていない所を見つけるという点では、どちらでも練習になります。手書きはスペルを意識しやすく、タイピングは速く書けるので量をこなしやすい違いがあります。続けやすい方を選んで大丈夫です。

一度聞いたことのある音声でも効果はありますか?

あります。同じ音声を繰り返すと、前回抜けた所が埋まったかどうかを確かめられます。むしろ慣れた音声で穴を一つずつ減らしていく方が、効果を感じやすい人もいます。

洋楽の歌詞でディクテーションをしても効果はありますか?

楽しく続けられる点では良い素材です。ただ、歌はリズムに合わせて音が伸びたり省かれたりするので、普段の会話とは聞こえ方が違うことがあります。会話やニュースの音声と組み合わせると、偏りが少なくなります。

1日にどのくらいやれば効果がありますか?

決まった時間はなく、続けられる量がいちばんです。短い音声を数文だけ書き取り、答え合わせと聞き直しまで終える方が、長時間を一度にやるより取り入れやすいです。時間の組み方は続け方の記事でも紹介しています。

まとめ

この記事の要点
  • ディクテーションの効果の出発点は、聞けていない所が紙の上で見えること
  • 効果はリスニング・語彙と文法・スペル・スピーキングの4方向に広がる
  • 答え合わせで終わらず、間違えた所を音で聞き直すと効果が出やすい
  • 素材は大半は書けて少し詰まる難しさが目安
  • シャドーイングや音読とは得意なことが違うので、組み合わせて使える
ディクテーションドットコム

ディクテーションドットコム 編集部

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